プレ講座第2回

プレ講座第2回概要

新住民が出会った地域コミュニティ 岡田篤司(一般社団法人 高齢者地域居住支援センター代表理事 )

岡田篤司実行委員会メンバーの一人である岡田篤司(一般社団法人 高齢者地域居住支援センター代表理事)から、都市化に於ける象徴的な北摂の近郊住宅都市、新旧住民が混在する地域がある一方、千里ニュータウンを内包する吹田市に、居住し、体験した地域コミュニティについて、その個人史に沿って在りようと問題点が話された。

 

◆千里ニュータウンの開発

講義風景かつては兎狩りの地として知られた多くは竹林の、のどかな千里丘陵に1962年大阪府企業局による千里ニュータウンの街開きが始まる。1964年東京オリンピックの開催に間に合わされるべく東海道新幹線が開通。淀川の北に新大阪駅が誕生して地下鉄延伸、南北幹線道路の新御堂筋と、北摂に住宅都市建設のラッシュ。いわゆる「都市化」である。
  近畿圏・中国・四国の出身者あるいは転勤族の若者を中心とした新住民が、主に集合住宅へと移住し始めた。北部のニュータウン圏を別にして、旧住民の「地域共同体」と新住民の「地域コミュニティ」との複合的「地域の誕生」である。

◆旧住民と新住民の摩擦、役所と市民の軋轢

のちに開発業者間が名付けた「千里ブランド」と呼ばれる分譲マンションの開発は絶えることなく続き、開発をめぐって「地主」という農家(旧住民)とサラリーマン(新住民)との間でたびたび摩擦が起こるが、現行の法律と条令によってのみ判断を執り行う「行政」と「市民」と呼ばれ始めた新住民は対立を余儀なくされ始める。
一方で、財政難を背景として「市民協働」は、全国の自治体の基本テーマとなりつつあり、他方で世界はまた「環境保護」という新たな価値基準の追加を迎えるなか、「地域コミュニティ」問題は「地域ガバナンス」に通じることとなるが、「行政」「市民」共に新しい時代の構図の認識が十分になされぬままに「ボランティア」と呼ばれ「NPO」と言われ、「任意団体」と位置づけられて、地域の政ごとは見事に不在となった。

講義風景

◆一住民が市役所に乗り込むようになるまで

ともあれ、建築物は嘘か誠か「経年劣化」ということで旧来のスクラップアンドビルドによる再生が叫ばれ、居住者の方はと言えばこれは間違いなく、こぞって「老齢化」。こちらは再生の仕様がないものと悟り、天災による教訓も加わって、にわかに「地域コミュニティ」は脚光を浴びることとなったが、その行方は果たして……。

寝に帰るだけだった普通の一住民が、順番で巡ってきた自治会長に就任したところが、丁度隣地の開発問題に遭遇。点から線、線から面へと辿れば、火の手はあちこちに。
煽てられ、調子に乗って、真剣に。こうなりゃ首長交代と奔走し、遂に非常勤職員となって市役所へ乗り込んでみたものの、見事討死するまでのドタバタ劇が語られた。

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